僕がボストン・コンサルティング時代に上司や先輩から教えて頂いたことは数限りなくあり、少しずつご紹介してゆきましょう。
今回は数値データに関する「意志決定に必要な粗さ」です。
結論から言うと、我々は詳細な数値データを求めすぎる傾向にあります。意志決定の材料としては、もっと粗くて良いのです。
例えばA社の社長が車いす市場に参入しようと考え、部下のB氏に「車いす市場が参入するにたる大きさを持っているか(魅力ある市場か)を知りたい。日本の車いす市場サイズ(台数)を調べなさい」とオーダーしたとしましょう。
B氏は「○○白書」「△△データバンク」などを調べまくり、結局見つけられなかったとしましょう。「社長すみません。データはありませんでした。」よくあるケースですが、実はこういった思考停止をしてはいけないのです。
例えば、まず車いすを使わないと移動出来ないであろう体の不自由な方やご老人の数を推定します。そのうちアクティブに外出する方の割合をざっくりで良いので仮定します。そうやって得られた粗い数値は意志決定を行う材料としては十分に機能するのです。
つまり参入するだけの魅力の有無を知るには、日本の車いす市場は1万台なのか、10万台なのか、100万台なのか、500万台なのか、1000万台なのかを知りたいわけです。例えば「26万3千260台」といった精緻さは、この場面では全く無意味なのです。
この考え方は「Quick & Dirty Analysis」(素早く粗く推定する)と呼ばれます。ぜひ実務で使ってみて下さい。
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